心臓は鉛、両目はサファイア、剣の装飾にルビー、そして全身が金箔で覆われた王子がいた。
王子は町の貧しいものたちに心を痛め、ツバメに頼んで剣の宝石を、両目を、金箔を人々に分け与えていく。
そうして最後には、みすぼらしい王子と、王子の代わりに人々に富を運び、南に渡る機会を逃して命尽きたツバメが残る。その瞬間、王子の心臓も壊れてしまう。
王子は溶鉱炉で溶かされ、溶け残った鉛の心臓はツバメの屍骸と共にゴミに捨てられてしまう。
神様が天使に、「この町で最も尊いものを持ってくるように」と命じると、天使は王子の心臓とツバメの屍骸を持ってきて、王子とツバメは天国で幸福になる。
イギリスの有名な寓話だ。
これは、ボランティアの根底に流れる心ではないのだろうか?
誰かに認められるためでなく、ただ見過ごせずに自分を削り分け与える心。
でも、王子はただの像で貧しいものに金や宝石を分け与えるためにツバメの力が必要だった。
ツバメは、南に渡る機会を逃せば自分がどうなるか知っていた。でも、王子の頼みを見過ごせなかった。
王子もツバメも誰を恨むでなくそうしたいからして力尽きていったのだ。
転じて件の天使たちを見てみよう。
天使たちはインターネットとテレビという媒体を使い沢山のツバメを集めた。
ツバメたちは天使の『我がの宝石だけでは足りない』という言葉を信じ、自らの羽で織物を織り上げた鶴のようにわが身を削った。
なのに、何でか天使はみすぼらしくなるどころか余計ゴージャスになってるし、町の貧民(犬)はいくらかはなんぼかマシになったけど、いつまでもパンの耳かじっている人もいる。
それは当然ツバメは怒りますわな。
南に飛んでいく機会逃した俺が馬鹿みたいじゃないか、とか、俺の抜いた羽返せー、とかそりゃ言いたくなりますわ。
で、ツバメたちの怒りを他所に
「今度オリジナルの宝石(ガラス玉を俺流カット)作ったんだけど、買わない?」
ってか?
もうね、乱反射しまくりでナニがしたいんだかわけワカメです。
や、お金が欲しい~って気持ちだけはビシバシッっと
伝わってくるんですけどね。