あなたはもう忘れたかしら
痩せた犬を口実にして
ボラと行った広島の岡
「みんなで頑張ろう」って言ったのに
いつもあなたは引きこもり
熱い気持ちが芯まで冷えて
錆びた空き缶カラカラ鳴った
あなたは善意をお金で数え
「少ないね」って言ったのよ
若かったあの頃 犬を助けたかった
ただあなたの恫喝が怖かった
あなたはもう捨てたのかしら
千羽鶴が届いたときの
目には見えない善意の気持ち
「大事にしてね」と言ったのに
いつも夜中にショッピング
食料倉庫にネズミがわいて
善意の物資が虚しく消えた
あなたはテレビのカメラの前で
「ボラが盗った」と言ったのよ
若かったあの頃 犬を助けたかった
ただあなたの恫喝が怖かった