私の朝は麻根木さんから始まる。
今朝は、もふもふと息苦しいと思ったら、彼が私の顔をまたいでお腹を押し付けていた。
暴力も使わず、大騒ぎもせず。毎朝実にスマートに起こしてくれる彼は紳士だと思っている。
私と麻根木さんは毎日同じ4畳半の部屋でひとつの布団で寝ている。
寝るときは暖房を切り、おきたら暖房を入れる。
当然明け方は相当冷え込むが、一人と一匹身を寄せ合って眠り、電気敷き毛布もあるので、特に辛いことはない。
この部屋には最高最低温度計を設置しているのだが、寒い日は室内なのに5℃程度まで冷え込む。
某自称愛護団体の代表のブログで、高齢犬が亡くなった旨書かれていた。
朝、雪の中、犬舎へストーブを点けに行き、ジィのケージを覗いた。
昨夜のように眠っているのか、と思い揺すぶってみた。
動かない・・・。
ん・・・
揺すってみるが動かない。
・・・・
眠ったまま、逝ってしまった。
前述したように、明け方と言うのはかなり冷え込む。
私の場合は南国宮崎であるが、現場の滋賀はもっと冷え込むことだろう。
なのに、代表の記述を見れば、夜間は暖房を切っていることが窺える。
一番寒い時間帯を暖房もなしに過ごさせて、そこに高齢犬、しかも末期癌の患畜を放り込んでいたと言うのか。
食べていないと言うことは、体温を作り出すためのエネルギーが得られていないということだ。
また、体温が下がれば免疫力も下がる。
なぜ、事務所においてやらなかったのか?臭いからか?異変に気が付いていたのに。
かわいそうに、じぃは無機的なコンクリートに囲まれた暗い部屋で、仲間に身を寄せることもかなわず一人逝ったのか。
雪山で遭難したものがなるように、体温が下がり、朦朧とし意識を失って寂しく逝ったのか。
もうすぐ大寒。これ以上犠牲が出ないことを祈るばかりだ。